ハーディーロッド、巨大サーモンを制す!


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huge-salmon-1-small.jpgカート・ヨハンセン

レポート

カート・ヨハンセン 待望の巨大サーモンを釣り上げる

デンマークのアングラーは4月1日を厳粛に受け止めている。多くのサーモン・リバーの解禁日だからだ。例年と同じくシーズン初期のサーモンフィッシングは容易ではなく多大な労力を要するが、成功を収めれば生涯忘れられない体験となる。困難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生む。北欧のアングラーたちは希望に満ちている。

カート・ヨハンセンも例外ではなかった。彼は解禁の翌日、2人の友人と息子を連れてストローエン川に赴いた。彼は困難なコンディションに、最高のダブルハンダーと言われるSwift Mk2とCascapedia Mk2で挑むことにした。
実は、昨年、カートは大物を逃した。

ーこんどこそ釣り上げる。

彼の決意と執念は、道具選びにもあらわれている。抑制された情熱は正しい判断を導く。正しい判断は良い結果を生む。

軽量で丈夫なSwiftとサーモンに特化したCascapediaの組み合わせは、サーモンにとってはヒグマの巨大な掌に劣らぬ脅威だ。

ラインはファストシンキングで一体型のシューティングヘッド、フライはSjnnes Uldsokチューブフライ。ウルソッケン(「靴下」の意味)として有名なスウェーデンのフライの変形だ。ヒグマの掌にかぎ爪が付いた。ひとたび掛かればどんな大物も逃れることはできない。

カートは、獲物を逃したその場所でキャスティングを始めた。

突然の手応え。大きい。去年の記憶が頭をよぎる。

音を立ててCascapediaのS字ハンドルが回転する。獲物が一気に100メートルも上流へと泳ぎ上がったのだ。

しばらくとどまったかと思うと、また40メートルも駆け上がった。カートは逸る気持ちを抑えつつ、20分かけてサーモンを追いつめていった。
そして機を逃さず、息子と一緒に岸辺へとひきずりあげた。

銀色に輝くサーモンの巨体は、なんと全長125cm、重量18.2kg。
カートは今年の暫定記録を打ち立てたのだった。

振り返ってみれば、カートがCascapediaを装着したSwiftを手に岸辺にたたずんだ時、既に巨大魚の命運は決していた。

「勝兵は先ず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いてしかる後に勝ちを求む。」とは孫子の言葉。戦争も勝負、釣りも勝負。獲物に勝つには、まず勝てるだけの状況を作り出さなければならない。天候、時機、地形を見定めることのできる経験と技倆が十分に備わっていれば、必要なのは頼れる道具だ。時に道具は、判断ミスや経験不足を補ってくれることすらある。

カートの場合は、全てにおいて完璧だった。写真にうつる彼の表情と獲物の大きさが証明している。

困難に耐え、経験を積んだカートは正しい判断を下し、ついに最大級の’希望’を釣り上げた。それは彼だけの希望ではなく、アングラー全体の希望でもある。彼も釣り人なり。我も釣り人なり。

情報提供 Fairpoint Outdoors A/S www.kineticfishing.com